高齢者施設へ接種開始|コロナワクチン市内状況 集団・個別は5月以降に

2021/04/15

ワクチン接種を受ける入所者の清水さん=12日、青葉の郷(市提供写真)
 高齢者を対象とした新型コロナウイルスワクチンの接種が全国で12日から始まったのに併せ、市でも、市内の高齢者施設の入所者と従事者に対して接種を開始した。今後、ワクチンの供給量に合わせて、市が設置する会場での集団接種を5月中旬、医療機関での個別接種を6月以降に開始する予定で、今月下旬にも75歳以上の高齢者へクーポン券(接種券)が発送される見通し。

 現時点でワクチンの供給量が限られていることから、4月は介護老人保健施設13カ所と特別養護老人ホーム2カ所の約2000人に限定して接種を実施する。ワクチンは米ファイザー製が使用される。

 12日には介護老人保健施設「青葉の郷」(青葉)で、入所者と従事者を合わせた4人がワクチンを受ける様子が報道陣に向けて公開された。

 接種を終えた入所者の清水一良さん(76)は「痛くなかった」と話すと、事務の飯田友紀子さん(48)は「アレルギー体質だが、体調の変化はない」とし、介護福祉士の藤原雅人さん(44)も「思ったより痛くなかった」とそれぞれ率直な感想を述べた。対象者全員の接種を担当した医師で、施設長の鈴木博さんは「気持ち悪い?」と声を掛け、様子を見ながら対応していた。副反応症状を訴える人も見られなかった。

 高齢者施設に対して市は、クラスター(感染者集団)の発生を未然に防止するため、今後も訪問による接種を進めていく方針。各施設と日程などを調整しながら、入所していない高齢者への接種が終了する時期までを目安に、対象となる268施設へ行き渡らせたい考えだ。

国、相当数確保供給量増へ

 新型コロナワクチンの供給量について国は、5月以降に相当数を確保できる見込みを示した上で、優先接種の対象である65歳以上の高齢者が2回接種できるだけの必要量を、6月末までに供給すると表明。市はそれに伴い、市内6会場で行われる集団接種を5月中旬に、医療機関での個別接種を6月以降にそれぞれ開始予定だ。

 個別接種に関しては4月8日時点で、199カ所の医療機関で実施されることから、各機関へ十分な量のワクチンを分配するため集団接種よりも開始時期を遅らせる。実施する医療機関の詳細は、市が発送するクーポン券に一覧表などを同封するほか、開始時期に合わせて市のホームページでも公表される予定だ。

クーポン券の発送年齢別に

 集団・個別接種を受ける際に必要なクーポン券は、迅速に予約を受け付けるため年齢別に発送する。75歳以上の高齢者は4月下旬、65歳から74歳までは5月中旬以降を見込んでいる。

 なお、実際に予約の受付を開始する日程について市は現段階で未定としている。市疾病対策課新型コロナウイルスワクチン接種班の新井宣章担当課長は「クーポン券が市民の手元に届くまでに、予約開始日を調整していく」と話している。

 クーポン券は高齢者に発送された後、順次、基礎疾患のある人やその他の市民に向けて送られる。

 接種に関する問い合わせは市コールセンター【電話】042・767・2101、聴覚に障害がある人は【FAX】042・740・1020へ。受付は土・日・祝日を含む午前8時30分から午後7時まで。
 

]]>