「相模原愛」醸成へ条例制定

2021/04/29

市役所ロビーに掲示されている条例全文を示したパネルと市マスコットキャラクター「さがみん」=20日撮影

 全国初 市「魅力発信を強化」

 相模原市は市への愛着を醸成し地域活性化を図る「さがみはらみんなのシビックプライド条例」(さがみん条例)を制定し、1日に施行した。まちに対する市民の誇りや愛着、共感を持ち、自ら関わっていこうという気持ちを示す「シビックプライド(CP)」を条例名に掲げ、CPを高めることを目的とした条例は全国で初めて。

 同条例では、市および市長にCP向上を達成するための責務として、各区の魅力を踏まえ、積極的な情報発信を行うことを規定している。加えて市民に限らず、相模原市が好きな人を「さがみはらファン」と定義。「地域に対してCPを持つということは自由であり、この条例により強制するものではない」と強調している。市民には市への関心や魅力の発見に努めてもらい、さがみはらファンには豊かな自然やJAXAなどの施設をはじめ、自らが思う市の魅力をSNSなどで発信することへの協力を求めている。

 そうしてCPを向上させることで、定住人口の維持・増加や地域の活性化、一体感の醸成のほか、地域活動や住民同士のコミュニケーションが活発になるなど、持続可能な社会の形成が期待できる。地域への愛着を高めることを目的とした条例はこのほか、愛知県豊田市の「WE LOVE とよた」条例などがある。

多角的に検討

 制定にあたり、大学教授や経済団体メンバー、公募市民などで構成される「シビックプライドの推進に関する検討委員会」で議論を重ねた。そのほかにも、市内各地でオープンハウス(展示イベント)、子どもたちによる市政モニター、パブリックコメントなどから意見を募り多角的に検討。幅広い年齢の市民が条例に触れることを考え、条文は難解な言葉や言い回しを避けて、分かりやすさを重視。親しみを持ちやすいように、略称に市のマスコットキャラクター「さがみん」の名前がつけられている。

市内外へ魅力PR

 条例の定着に向け、他にも市は現在、CP向上を目的に開設した相模原ファンサイト「SAGAMIHARA FAN FUN FAN」で、市内の魅力的な写真の投稿や、街頭で「あなたが思うまちの魅力」を聞いてまとめたコンテンツなどで市の魅力を市内外にPRしている。今後は民間企業との連携をはじめ、リーフレットやポスターを活用した周知、小学校への出前授業などで啓発活動を行っていく。条例の効果測定については、愛着度や誇りに関するアンケート調査を来年3月頃を目安にインターネット上で実施する予定。

 市観光・シティプロモーション課は「この条例をきっかけに市民の皆さんが、市の良さ、好きな場所を思い描くなど、住んでいるまちのことを考えるきっかけとなれば」と話している。

 条例の全文は市HPの特設ページで確認できるほか、市役所1階ロビーにも展示されている。問い合わせ・詳細は同課【電話】042・707・7045へ。
 

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