「五十三次」を疑似ウォーク

2021/07/08

東海道五十三次マップを紹介する健康づくり普及員の西さん(左)と佐藤さん=6月25日、陽光台公民館

 東京・日本橋をスタートし、京都の三条大橋までバーチャル(疑似)ウォーキング-。そんなイベント「コロナに負けるな!陽光台GoTo東海道五十三次バーチャルウォーク」が現在、陽光台公民館利用者らの健康維持に一役買っている。

 コロナ禍で活動が制限される中、公民館利用者の健康管理を模索していた陽光台公民館からの提案を受け、自粛生活のストレスを発散させる楽しい企画にしようと主催の陽光台地区相模原市健康づくり普及員協議会が同館と共に進めてきた。「感染を防ぎながら日常の中で健康増進につなげようという発想」と同地区健康づくり普及員の佐藤頎子(としこ)さん。もう一人の普及員である西久光さんは「コースは五街道を検討し、なじみのある東海道からにした」と話す。

 当初は1月の実施を予定していたが、コロナの影響で延期に。状況を判断しながら5月16日から7月10日までの56日間で行われることになった。

 参加者は歩数計や携帯電話のアプリなどで、歩いた数を毎日計測。それを距離換算し、495・5Kmの道のりの完歩をめざす。歩幅に個人差があるため1歩を一律60cmとし、歩数に乗じて距離を算出。同公民館1階に53の宿場が書かれた大きな東海道マップが張り出され、参加者は自分のあだ名を記した人型アイコンを歩いた分だけすごろくのように進めることができる。「自分のペースで続けることが重要。達成に喜びを感じてもらえるように」と、公民館への週1度の歩数申告や、指定の宿場町への到達により20Kmが加算されるボーナスも用意した。

 「競争ではないが、取り組むうちに『負けたくない』という気持ちが湧き、励みになっている」と佐藤さん。40代から80代の41人が参加し、6月6日には早くも完歩者が誕生した。路上でのあいさつや、互いの状況確認など、住民同士の交流にもつながっており、中山道や甲州街道など、早くも第2弾を希望する声が上がっているそうだ。

 終了式を7月18日に実施し、歩行距離を記した完歩証を交付する予定。「外出控えで気づかないうちに体力が落ちていく。日常生活の中で取り組んでもらえたら」と西さん。佐藤さんは、「こうした取り組みが広まっていけば」と話した。