高岡 典彦さん

2021/08/19

プラスの言葉で前向きに

 ○…適正公平な課税を維持し、国の財政基盤を支える税務署の長に初めて就任。相模原はもとより神奈川県で勤務するのは初めて。新たな職責に、「今まで多くの先輩や上司に助けられてきたように、長であっても気軽に話しかけられる存在でありたい」と柔和な表情を見せる。

 ○…横浜市に生まれ、大学進学と同時に東京へ。就職活動中はバブル絶頂期。同級生はほとんど民間企業を志望したが、まちづくりに携わりたい気持ちから市職員の採用試験の勉強に励んだ。その過程で会計学や簿記に魅了され、出会ったのが国税職員の道。人と話すことが好きで、「色々な人と話ができて勉強になる職場」というOBの一言も後押しとなり、入庁を決意した。30年余り勤める中で身についたのは「常に前向きであること」。何十億という税収を動かす国際交渉の舞台で、外国人から発せられるプラス思考の言葉に影響を受けた。「交渉中に相手の提案を否定するのではなく、まずは肯定する姿勢が大切だと学んだ」

 ○…趣味は散歩。駅から税務署まで徒歩で通い、その時々で違う道を歩いては探索している。配属されて間もないが、休日に相模原を訪れてウォーキングすることも。「相模原は住宅と自然、商業地のバランスが良い。ゆったりとした雰囲気」と微笑む。

 ○…今はweb上で簡単に納税の手続きができる時代。その一方で、職員は個人事業者や会社などに直接出向き、適正な申告が行われているか調査することも。「日々緊張の場面で対応に当たっている。だからこそ、内部で温かい関係を築きたい」と意気込む。プラスの言葉による対話で組織の士気を高めつつ、円滑な税務行政に一丸となって努める構えだ。