秋本博寿氏が新会長

2021/09/16

新しく二本松商店街の会長に就任した秋本さん

 相原二本松商店街の会長がこの度代わり、(株)勝文堂印刷の代表・秋本博寿氏(51)が就任した。同商店街の会長交代は26年ぶり。今夏から地元の高校との商業連携も始まっており、学生目線による活性化案などを活かし、商店街のさらなる魅力発信をめざしていく。

 1962年にその前身となる会ができた相原二本松商店街は、二本松・相原地区を中心に、住宅街内に点在する「近隣型商店街」。現在の加盟店・企業数は77。主な取り組みに、地域住民向けの「夏の大感謝祭」や東日本大震災復興支援を兼ねたチャリティイベント「サンマまつり」、二本松公園で行われる「相原地区ふるさとまつり」などのイベントを行っている。

 今年6月、26年ぶりに新会長に就任したのは秋本博寿さん。(株)勝文堂印刷の代表で、2年前から会長代行として前会長の上原泰久さん(74)を支え、会長交代の準備を進めてきた。コロナ下での就任に際し秋本さんは、「感染予防の観点から集客イベントが打てない昨今、街の魅力を発信していかないと出店者やお客様に選んでもらえない。今まで以上に工夫し、会員増強に努めたい」と抱負を語る。上原前会長は「秋本新会長を中心に、コロナ禍だからこそ一丸となって商店街がさらに活発化することを期待する」と激励した。

「人集めない」が鍵

 新型コロナウイルスの影響で、集客系のイベント「夏の大感謝祭」や「サンマまつり」「相原地区ふるさとまつり」は昨年軒並み中止に。今年の開催も望みが無い中、顧客還元策のひとつに捉えられているのが、同商店街オリジナルキャラクター「マツボー」を冠にした「マツボースタンプ」だ。 約30年前から始めたサービスで、加盟店での買い物でもらえるシールを集めると金券として利用できるというもの。他にも来店系のイベントとして「ご利用得得券」などがあり、秋本さんは「人を集めずしてお客様に喜んでもらえる」とコロナ下での打開策として期待を寄せる。

「学生目線」取り入れ

 同商店街ではさらに、会長交代した今夏から相原高校と商業的な連携を始めている。

 同校はリニア中央新幹線の新駅設置のため、一昨年の4月に橋本駅前から橋本台に移転。同商店街が近隣になったことが縁で、商業課程のある高校が研究成果を競い合う「神奈川県生徒商業研究発表大会」の題材として、同商店街に協力を依頼した。同事業の担当で同校の林潔明教諭は、「当校には商業を中心に学ぶ科があり、普段から授業で地域経済を学習している。今回は実際の商業の現場を学ばせていただくことを目的として協力を依頼した」と話している。

 7月には、同科の生徒たちが商店街を訪問。オートミール専門店などを訪ね、同商店街への出店の経緯などをインタビュー。その様子を動画にまとめたものを同大会に提出し、参加校5校中2位の好成績を収めた。

 同校では今後も商店街と連携を深めていきたいと考えており、林教諭は「今回はコロナや猛暑の影響で十分な調査時間が設けられなかったが、実際に店舗を訪問できたことは生徒たちにとっていい刺激になったようだ。これから先も長期的な関係が築ければ」と話している。秋本会長も「学生の目から見て、商店街の経営アップや活性化に繋がることは取り入れていきたい」と連携の姿勢を見せた。