大野南中田神咲音さん 「12歳の想い」が動画に 子どもたちの現状を作詞

2021/10/28

詞を書いた田神さん

 大野南中学校1年生の田神咲音(さきね)さんが作詞した合唱曲「The Message from 12Years old」をもとに、神奈川県ユニセフ協会が「世界の12歳」をテーマに制作した動画がこのほど、市ホームページなどに公開された。田神さんが谷口台小学校6年の時に作詞したもので、世界の子どもたちが抱える課題や実情を訴えるものになっている。

 田神さんが作詞をしたきっかけは、小学6年生の総合的な学習の時間に、ユニセフ(国連児童基金)の活動を支援する県ユニセフ協会が「世界の12歳と私」というテーマで行った出前学習会にある。

 児童労働や貧困などの問題を知った田神さんが、世界の子どもたちの実情を広く知ってもらうには、曲になれば伝わりやすいだろうと思い詞を書いた。田神さんは「クラスには音楽の好きな友だちが多かったので、音楽にすればいろんな人が聴いてくれると思い詞を書いた」と話す。

合唱曲が完成

 この詞に曲を付け、合唱曲にしたのが谷口台小学校の松元博一教諭。タイトルも松元教諭から提案を受け、田神さんが決めた。この曲を小学校の卒業式で合唱しようとしていたが、新型コロナウイルスの影響で合唱は中止となり、披露する場は無くなってしまった。

 この経緯を知った県ユニセフ協会の大学生ボランティアが合唱曲を収録し、世界中の厳しい環境で生きる12歳の現状と、日本の12歳の男児がその状況に思いを馳せる動画を同協会が制作した。動画には谷口台小学校の校庭や教室もロケ地として登場する。

 映像を見た田神さんは「ほかの国の方々の映像が映っていて曲のイメージにも合っており、見ている方がイメージしやすいと思い、うれしかった」と感想を話した。

作曲にも挑戦へ

 作詞したものが曲になり、大学生に歌ってもらい映像になるという展開を想像していなかったという田神さんは「詞にもある通り、少しでも世界の人たちに目を向けてほしい」と話し、「今回は作詞だけでしたが、中学生になって機会があれば、作曲にも挑戦してみたい」と展望を語った。

 動画は県ユニセフ協会ホームページと相模原市ホームページ内SDGs特設サイトで公開されている。