畳工 奥深い技術を追求 砂川貴幸さん

2021/12/09

 矢部の老舗畳店「砂川畳店」3代目の砂川貴幸さん(52)。畳製作の技術を競う技能フェスティバルでの優勝や技能グランプリでの銀メダル受賞など、これまでにさまざまな実績を残してきた。

 昔からものづくりが好きだったが、「一度外の世界を見てみたい」と大学卒業後は一般企業に就職。その後、25歳で家業を継いだ。そのため技術者になるのがほかの同年代と比べて遅く、「負けたくない。追い越したい」という気持ちで勉強を重ねてきた。

 畳を深く知ることで「先人の知識」の重さを知った。「畳の縫い方一つでもきれいに縫える方法が伝統として伝わっている。そんな面白さにのめりこんでいった」

 今回の受彰は、めざしていた目標の一つ。「身に余る光栄。しかし、これがスタートラインだと思う。これからも奥深い技術者の道を突き詰めていきたい」と目標を語った。