アートラボはしもと 民間活力で集客力向上を 整備費軽減へ事業者募集

2022/03/03

昨年8月より閉館しているアートラボはしもと

 建物の老朽化などによる建替えのため、昨年8月9日から閉館しているアートラボはしもと(緑区大山町1の43)。市は同館の再整備にかかわる財政負担の軽減を目的として、民間施設が併設する複合施設にすることを計画しているが、3月4日(金)から整備を実施する民間事業者の公募を開始する。2025年度中の再オープンを目指し、整備していく予定。

 アートラボはしもとは、ワークショップやまちづくり活動を通じ、アートによる先進的・実験的な取組みを行うことを目的とした施設。民間から譲渡されたマンションギャラリーを利用して2012年に開館した。相模原市と近隣4大学(女子美術、桜美林、多摩美術、東京造形)が基本協定を結び事業を展開、各大学の学生や卒業生、同館の学芸員・美術専門員などが講師となり実施するワークショップなどを行ってきた。

 そうした中で、開館から10年を経て、建物の老朽化やバックヤード・大部屋不足など施設面での課題が浮上し、美術拠点としての機能向上をめざして建替えることを決定していた。建替えについては、集客力の向上と再整備にかかわる財政負担の軽減を目的として、同施設単独ではなく、民間施設が併設する複合施設を整備し、その整備を民間事業者が行う予定になっている。

 今回、民間事業者を募集するのは現在アートラボがある市所有の3660・76平方メートルの敷地。土地は市が所有したまま民間事業者に貸付し、市は2023度中を目途に更地にして事業者に譲渡する。借地期間は20年以上50年未満で、アートラボはしもとの後継施設が入る複合施設は、住宅ではない商業施設にするなど規定範囲内で任意に設計できる。あわせて、隣接する大山町ゆうひ公園も、後継施設で実施する事業で利用できるよう一体的な整備の提案可能。アートラボはしもとの後継施設部分は、市が買取または賃貸となり、間仕切りや内装などは市が設計者を別途公募して施工する。募集期間は3月4日から5月27日まで。

 市文化振興課は「アートラボはしもとは催し物が開催されていない時の集客力などに課題があった。後継施設は単独ではなく、商業施設などと併設することによって集客力が上がり、より市民に馴染みの深い施設となる期待感が持てる。市、事業者、地域住民と密接なコミュニケーションのもと、緊密な協働・連携により魅力ある施設にしていきたい」と話した。