もみじホール城山 地域に根差し10周年

2022/05/12

世界3大ピアノの一つ「ベヒシュタイン」のある多目的ホール

 もみじホール城山(相模原市立城山文化ホール/緑区久保沢)が4月に開館10周年を迎えた。5月からは記念公演を予定しており、同ホールでは「地域に根差したホールとして、今後も芸術、文化に触れる機会を提供していきたい」と話す。

 もみじホール城山は2012年4月1日に開館。これまで、さまざまな公演や事業を通して地域の文化振興に貢献してきた。

 298席の多目的ホールは、客席の収納が可能でフラットなスペースとしても使うことができるため、コンサートや演劇のほかにも、ダンスやイベントに利用されてきた。その他に、一面鏡張りのリハーサル室、全長30mのギャラリーがある。ここ数年の1年間の平均来場者数は約3万人(2020年は新型コロナの影響で約4カ月休館)で、相模原市はもちろん、隣接する町田市や八王子市からの利用もあるという。

唯一のベヒシュタイン

 同ホールには、「スタインウェイ」「ベーゼンドルファー」と並び、世界3大ピアノの一つと言われる「ベヒシュタイン」が県内の公共ホールで唯一設置されている。毎年開催している「ベヒシュタインを弾いてみよう」という演奏体験企画には、遠方からも申し込みがあるほど。「ビロードのような透明感」と称される音が特徴だ。

 その他にもホール利用者による発表会「市民ステージ」、さがみはら若手落語家選手権の優勝者らが落語を披露する「しろやま寄席」、過去には人気講談師の神田伯山さんも登場したことのある「城山落語会」などは市民にも恒例のイベント、公演となっている。

 開館10周年を迎え、同ホールでは「現在の事業を生かしつつ、今後は子どもたちが新しい文化・芸術と出会うきっかけになる事業も増やしていきたい。引き続き地域に根差したホールを目指していく」と話す。

記念公演も

 同ホールでは10周年記念公演を開催する。

 第1弾は5月14日(土)に開催される「瀧川鯉斗 春風亭昇々二人会」。元暴走族総長という異色の経歴を持つ瀧川さんと、エキセントリックな創作落語で人気の昇々さんが登場。

 続く7月30日(土)は、ピアノとヴァイオリンのデュオ「スギテツ」が登場するファミリーコンサート。クラシックの名曲をさまざまな音楽や環境音と融合させ、聴くだけでなく観て楽しいコンサートを展開する。

 同ホールでは「今後も楽しい企画を考えています。楽しみにして頂ければ」と話す。