ACジャパン広告学生賞 社会の課題、明快に表現 相模女子大から2人が優秀賞

2022/05/26

 相模女子大学(南区文京)生活デザイン学科4年の櫻井三慧(みさと)さんと仲尾茉希(まき)さんが、(公社)ACジャパンが主催する「第18回ACジャパン広告学生賞」の新聞広告部門で優秀賞に輝いた。

 同賞は広告制作を通し、若い世代に公共広告への理解を深め「公」への意識を育むことを目的に2005年に設立されたもの。テレビCMと新聞広告の2部門があり、グランプリ、準グランプリ受賞作はBS民放8局と全国5紙で放送・掲載される。2人は520もの応募作の中、最終選考の26作品に残り、優秀賞に選ばれた。

周りの協力に感謝

 櫻井さんはSOSをテーマに加害者に知られないよう第三者に危険を知らせる「シグナル・フォー・ヘルプ(助けを求めるハンドサイン)」をもっと知ってもらうための作品を制作した。

 2020年に導入されたサインを動画サイトTikTokで知った櫻井さんは認知度を上げるためには「このサインなんだろう?」と思ってもらうインパクトが必要と考えた。口許に暴力を受けたようなメイクを施し、自らが被写体となりサインをアピールした。「作品の構想や撮影のセッティングなど先生や友人に協力してもらったので受賞の報告ができて良かった」と喜びとともに感謝の言葉が零れた。将来は「日常の生活に彩りを与え、気持ちが上がるような商品をデザインしたい」と夢を語った。

授業の成果活かす

 仲尾さんはSNSによる不用意な投稿が招くトラブルや情報流出、そのリスクへの注意喚起を呼びかけるというテーマで制作した。

 作品の構想は2年生の頃に思いついたという仲尾さん。自身の手元のスマートフォンの情報が、繁華街のビルの壁面にある大型ビジョンに映しだされているイラストをパソコンでデザイン。個人情報が自分の知らないところで不特定多数の人に公開されている可能性を表現した。今回の受賞に「授業で学んだことが活かせ、結果が出たので嬉しい」と喜んだ。

 現在は生地や織物などを素材に作品をデザインするテキスタイルデザインを専攻。「自分の内面や心理構造などをテキスタイルで表現できたら」と作品制作を楽しんでいる。

 2人の作品は同大のホームページや同賞の特別ページなどで閲覧できる。