北欧で体験、自閉症支援 やまびこ会・山田さんが講演

2022/06/09

山田正人さん

 自閉症児を抱える父親が福祉先進国・デンマークでの体験をもとに、日本との違いなどを紹介する講演会が6月11日(土)、午後1時からユニコムプラザさがみはらで開催される。相模原市自閉症児・者親の会(相模原やまびこ会/鈴木秀美会長)と神奈川県自閉症協会の共催。参加費は無料。

 講演会は県自閉症協会総会記念講演会として行われるもの。講師はやまびこ会会員の山田正人さん(58/新磯野在住)で、テーマは「自閉症の息子と住んでみた!福祉先進国デンマーク」。

 山田さんは仕事の関係で2014年4月、福祉先進国の北欧デンマークに駐在。翌15年3月から4年間、自閉症の次男・俊樹さん(当時18歳)を含む家族4人で同国第二の都市・オーフスで生活した経験を持つ。

 講演会では同国の福祉制度や俊樹さんが通った成人自閉症者専門の療育施設などを通し、山田さんが感じたことなどを紹介。「デンマークは障害の有無に関係なく18歳になると親から独立し、自己決定する『市民』になる。国はそのための体制を整えており、その分税金が高いが、皆納得して払っている」と話す。一方で「国任せで受け身だったり、日本に比べ家族に対する愛情が希薄な面も」と比較した。

 聴講希望者は住所、氏名、メールアドレス、電話番号などをメール(info@sagami-yamabiko.jpn.org)で連絡のこと。定員は190人。

来年40周年やまびこ会

 「やまびこ会」は1983年に自閉症児・者を持つ親同士が集まり「将来子どもたちが住みやすい環境にしたい」との思いから発足。来年で40周年を迎える。年4回の定例会の他、運動会やサマーキャンプ、グループ活動などを通し、情報交換や親睦を深めている。

 鈴木会長も長男が自閉症だったことから入会。「家族以外の同じ地域に住む人と横のつながりができることで情報がたくさん入る」と会の良さを語る。会は多い時では85家族が所属していたが、現在は60家族程。「自閉症児・者が減っているわけではなくインターネットの情報で済ませたり、リアルで相対することを負担と感じる人も増えた」と分析した。