学力・学習調査 中学は全国をやや上回る 小学は全国比でやや低い結果に

2022/08/18

調査の平均正答率

 小学6年生と中学3年生(義務教育学校の当該学年含む)を対象に国が4月19日に行った「全国学力・学習状況調査」の分析結果が7月28日に発表された。相模原市の平均正答率は、小学6年生においては、全国平均と比べ全教科やや低い結果に。中学3年生では全国と比較して同等又はやや高い数値となった。

 「全国学力・学習調査」は子どもの学力や学習状況を把握・分析し、課題を見つけることを目的に文部科学省が2007年から行っている試験。今年は国語と数学に加え、理科の3教科で実施された。

 小学6年生の正答率は全教科全国正答率を下回る結果となった。(国語マイナス1・6、算数マイナス1・2、理科マイナス0・3)。一方中学3年生では全国平均と同等若しくはやや高い数字に(国語プラスマイナス0、数学プラス0・6、理科プラス0・7)。昨年の結果と比較すると小、中学校共に向上傾向が見られ、市は「コツコツと指導を続けてこられた現場の先生たちの努力が大きい」と話す。

 相模原市では更なる学力向上に向けて、ICT(情報通信技術)授業の充実や、放課後等を利用した補習などの取り組みを継続して行っていくと同時に、これまで小学3年から行っていた学習支援員の配置を、小学1年からに変更する。これについて市は「土台となる学力の保障を行うことがより大事だと考え変更した」と話し、「学年が上がり、学力の差が広がる前に基礎を教えることが出来れば。現場の教員と連携しながらより良い教育を実現させていきたい」と語った。

SNS、ゲーム時間は高

 試験と同時に行われた児童・生徒の生活習慣や、日頃の勉強の様子などのアンケートでは「ICT機器を使用した勉強の頻度」や「授業で自分の考えを発表するとき、工夫して発表していたか」などの項目で全国平均よりも肯定的回答が多かったが、「SNS・動画視聴時間」や「1日のゲーム時間」の分野では全国平均より高い数値を示した。

 市は、生活習慣の確立や家庭での学習習慣の定着を目的に各学校への出前講座を実施。ゲームやSNSとの向き合い方を各校で指導していく。

 市教育委員会は「SNSやゲームの時間を制限するのではなく、どうコントロールしていくかを教えていく」と話した。