藤野北小 復旧工事 来年1月着工へ 令和元年台風で土砂被害

2022/09/15

土嚢袋が積まれた現在の藤野北小の校庭

 東日本台風の被害を受け校舎・校庭が使えなくなっている藤野北小の復旧工事について、市は補正予算に1億6千万円の文教施設災害復旧費を計上。市議会の9月定例会で審議を経て来年1月の着工を見込む。

 藤野北小学校は、2019年10月の台風により、校舎に面している民地の山で土砂崩れが発生。約600平方メートルの校庭が土砂により埋まってしまい、一部の遊具も破損した。さらに、校舎への被害も想定されたため、利用を中止した。台風の直後から児童は「ふじの体験の森やませみ」で授業を行い、20年4月から現在のプレハブの仮設に移っている。小さいグラウンドしか備えられていない仮設校舎の代わりに、体育館を使う授業や、文化祭、自然学習などは現在でもやませみで行っている。

 神奈川県は、土砂崩れの復旧工事を19年11月から開始。現在は新たな土砂被害を防ぐために土嚢袋が置かれている。工事を請け負っているイビデングリーンテック株式会社は「今年の12月までには土砂崩れの工事が終了する」と話す。県による工事が終わったのちに、市による校庭の復旧工事が行われる見込み。今後、請負業者などの選定などが行われ、工事は来年1月から8月にかけて行われる見込みとなっている。市学校施設課は、「市内で災害により校舎、校庭が使えなくなったケースは今回が初めて」と話し、「自然が相手ということもあり、工事が延びてしまうことも考えられる。子どもたちが戻れる環境をできるだけ早く整備していきたい」と話した。

「広い校舎で」

 現在、佐野川公民館の敷地内、敷地面積200平方メートルに建てられた6教室のプレハブ校舎には、児童26人が学んでいる。3年生までの児童はまだ元の校舎での授業を知らない。「行ってみたい」という声も多く挙がり、上級学年からは「戻りたいな」という声が聞こえてくるという。「来年の2学期には、元の校舎に戻ることが出来るようになると児童に話したら、とても喜んでいた」と語るのは同校の沼澤俊宏校長。現在は理科室などの特別教室が無く、限られたスペースで学習している。沼澤校長は「小学生の子どもたちは今が元気盛り。プレハブの教室は狭く、顔には出さないが子どもたちはもっと広い場所で遊びたいと感じていると思う。子ども達が元の校舎でのびのびと生活している姿を早く見たい」と語った。