フードトラック 公園出店 11月から 「必要な便益施設」

2022/11/10

公園での出店の様子=小池さん提供

 市内の公園に11月からフードトラック(キッチンカー)が出店している。これまで条例により公共施設での営利目的の行為は制限されていたが、利用者の声を反映し実施されることになった。運営団体は「市民の皆さんの飲食サービスの手伝いができてうれしい」と話す。

大野で土日祝

 フードトラックが出店しているのは相模大野中央公園。11月から土・日・祝日を基本に、相模原フードトラック協会(小池玄太郎会長)の加盟店が飲食メニューを提供する。

 相模原市は都市公園条例で公園での露天商など営利目的の行為を制限している。一方、近隣の東京都町田市は今年度複数の公園でフードトラックなどの出店実証実験を行なっている。

 同協会は市内の一部公園を管理する相模原市まち・みどり公社と出店についての協議を続けてきた。小池さんは「敷地内や近くに売店や飲食店のある公園もあるが、コロナ禍もあって営業していないところもある」と話す。同公社にも公園利用者から「(相模大野中央公園は)付近に売店が少ない」との声が届いていた。両者は10月、協定を結び、公社は指定管理者の自主事業として公園での出店を決定。市は「(フードトラックは)便益施設として必要」と判断した。公社は11、12月は土日祝日で出店し、来年1月以降は状況をみて決める。対象公園は今後増やす方向という。

長く営業を

 2020年発足の同協会には現在、約40台が登録。小池さんによるとそのうちの約8割が「週末のみ」の営業で「兼業」がほとんど。ニーズを把握しビジネスとして成立させることの難しさを話す。コロナ禍で需要の高まりをみせる「移動販売」業界だが「5年以内で廃業」が少なくないとも。そのような状況で出店場所の拡大は小池さんらにとって明るい話題。出店情報は同協会のSNSなどで確認できる。