相模原市 入院調整チームを発足 コロナ 「同時流行」に備え

2022/12/22

 相模原市は、新型コロナ患者の入院調整チーム「S―Chat」(エス・チャット)をこのほど発足した。新型コロナウイルス感染症と、季節性インフルエンザの同時流行に備えた取り組みで、市保健所と市内の医療機関などが緊密な情報交換・連携を図ることで一体的な入院調整を行い、病床ひっ迫の軽減を図っていく。

 「S―Chat」が設置されるのは市内のコロナ病床使用率が概ね50%を継続的に超えた場合が基本となる。市内発熱診療所等医療機関に通う外来患者数などの状況を考慮し、チームリーダーとなる市保健所長が設置を決定する。

 参加するのは、市保健所、市消防局、市内16病院の神奈川モデル認定医療機関、市病院協会、市医師会など。設置後は、市は同医療機関などと定期的にWeb会議を開催する。会議で得られた情報を共有するとともに、感染症を専門とする医師をアドバイザーとして招聘し、効率的な入院調整に活用していく。県内では横浜市や川崎市がすでに設置している。

 市感染症対策課は「コロナ禍、市と個別の病院との情報交換の場はあったが、こうして専門家を交えた複数の医療機関が一度に情報交換する場が出来ることで、より有効な対応ができる」と期待する。

 市病院協会は発足について「かねてから感染急増、爆発時に患者の重症度に応じた療養、入院管理などの調整を機動的に行う”支援拠点”の設置を相模原市に提案してきた。 今回の設置は、病床ひっ迫の軽減はもとより、医療提供体制の維持・強化、市民の医療に対する安心を支えていく上で大変重要な取り組み。 引き続き市と一致協力し、地域医療体制の確保・強化に尽力していきたい」と見解を示した。

インフルは減少

 市はこれまで他の自治体と同様に、約3年近くにわたり、感染拡大防止に向けたさまざまな対応を国、県や関係機関と連携して行ってきた。

 今年に入ってからは、年明けのオミクロン株の感染拡大による第6波と、夏のオミクロン変異株の爆発的な感染者の増大などによる第7波を経験。ここ数カ月は落ち着きをみせていたが、11月辺りから徐々に感染者が増え始め、第8波の兆しも見えている。

 一方、季節性インフルエンザについては、新型コロナの感染が拡大する前の2020年1月には、市内で1週間平均・500人前後の患者が報告されていた。コロナ禍以降は手洗い・うがいの徹底やマスクの着用などが広がり、患者数は激減。今年、昨年とも1週間あたり3人の患者が報告された週はない。

 同課は「第6波・7波は比較的感染患者に重症者が少ないことから、行動制限もかなり緩和された。年末年始にかけ、第8波に加え、季節性インフルエンザの感染患者が増えることも予想される。引き続き、うがい、手洗いを徹底してほしい」と呼びかけている。