短歌で結ぶ日加交流 友好都市事業でオンライン歌会

2023/01/12

画面越しのアーロンさんと一緒に記念撮影

 相模原市は、友好都市提携を結ぶカナダ・トロント市との友好都市交流事業として、「日加友好オンライン歌会」をユニコムプラザさがみはらで開催した。

 トロント市との友好都市交流事業では、これまでオンタリオ州日本語弁論大会で相模原市と同大会の実行委員会、地元の日本人企業家の団体・新企会で創設した賞の受賞者を相模原市に招き、日本文化の体験を提供していた。新型コロナウイルスの影響で2020年、21年度は訪日が中止になっていたが、今年度はオンラインでの交流が実現した。

 今年度弁論大会で新企・相模原市賞を受賞したのは、トロント市在住で大学院生のアーロン・ウイルソンさん(24)。アーロンさんは大学時代に東アジア研究を専攻、和歌や短歌に関心があったことから、短歌会の開催を希望。市国際課が相模原市民短歌会(亞川マス子会長)、相模女子大学高等部などに協力を依頼。同校の競技かるた部の生徒を中心に1年生6人が参加、約1万Km離れたカナダとのオンライン歌会が実現した。

伝わる想い

 歌会はアーロんさんを含む7人が「君・友」を詠み込んだ題詠と自由詠の2首を事前に無記名で提出。それぞれが良いと思った歌を詠み、感想を述べあい、亞川会長から講評を受けた後、質疑応答などで交流を深めた。

 百人一首の中では藤原定家の歌が好きだというアーロンさん。歴史にも興味があり、日本を訪れたら四国遍路も体験してみたいなどと語った。また相模女子大高等部の西岡美瑚都さんは「短歌の意味や語順を考える機会になった」と新たな発見に喜んだ。中田こころさんは「歌を作ることはもちろんアーロンさんも日本語が上手で楽しかった」と笑顔で語った。弦楽部所属の皆戸愛音さんは「それぞれ作り方に特長があり面白かった」と興味を持った様子だった。亞川会長は上手になるコツとして「好きな歌人を見つけて暗記するほど詠んでほしい」とアドバイスを送った。

 相模原市は1991年に当時のスカボロー市と友好都市を提携。同市が98年にトロント市を含む近隣5市と合併して新トロント市となって以降も友好都市関係が引き継がれている。