県猟友会津久井支部 ジビエで特産品開発へ 地域活性の新たな一手に

2023/02/23

協力を確認し合った(左から)本村市長、小坂支部長、中里組合長

 シカやイノシシなどによる農作物への被害を防ぐため、狩猟活動を行う神奈川県猟友会津久井支部(小坂義和支部長)が、新たなジビエの開発へ動き出した。1月には相模原市、神奈川つくい農業協同組合(JA神奈川つくい)との協力を確認。小坂支部長は「地域にあったジビエの開発を目指し、ゆくゆくは地域の特産品にしたい」と意気込む。

捕獲数が増加

 同会津久井支部の会員は約250人。主に城山、津久井、相模湖、藤野エリアを対象に、狩猟活動を行っている。

 ジビエ開発のきっかけは、近年の捕獲数の増加にある。同支部によると「以前は雪に埋もれたシカの死体をよく見かけたが、最近は温暖化の影響で大雪も減り、見かけなくなった。また、イノシシが1年に2回出産したり、シカが双子を出産しているという話もあるそうで、いずれにせよ全体的に数が増えている」と話す。

 数が増えると、食料を求めて野生のシカやイノシシが山から下りてきて、農作物を荒らすようになる。ここ数年は年間の捕獲数が増加傾向にあるため、同支部では年々捕獲の許可数を増やして対応。そのような中で、緑区に相応しいジビエを開発して、地域の特産品にという声が挙がった。城山地区で地域の特産品の開発に関わった東京家政学院大学の上薗薫准教授の協力も得られることが決まり、ジビエ開発の道筋が立った。

 さらに、今年1月には相模原市の本村賢太郎市長、JA神奈川つくいの中里州克代表理事組合長、小坂支部長が、協力して開発を進めていくことを確認し合った。

来年の完成目指す

 商品は来年4月の完成を目標に準備を進めていく。具体的な詳細についてはこれから協議していくとし、小坂支部長は「緑区に相応しい特産品になるようにいろいろな意見を聞きながら考えていきたい。地域活性化への新たな一手になれば」と意気込む。