ノジマ 野島社長、母校で講演 淵野辺小の児童にエール

2023/03/09

写真を見せながら小学校時代の様子を児童に説明する野島社長=2月24日

 家電量販大手「ノジマ」(横浜市)の野島廣司社長が2月24日、母校の淵野辺小学校を訪れ、「未来を創る子供たちへのメッセージ」と題して児童らに向け講演した。

 野島社長は1962年度に卒業した。4年から6年まで担任だった山崎敏雄教諭が、現校長である二宮昭夫氏の初任当時の校長だったという縁もあり講演の依頼を快諾。同校創立80周年記念講演として実現した。会場となった体育館には高学年が集まり、低学年は教室でオンライン参加した。

恩師の愛を語る

 「皆さんと同じようにこの体育館で運動をした」。登壇した野島社長はそう語りかけると、子どもの頃の写真をスライドで紹介し、「落ち着きがなくていたずら坊主だった」と小学生時代を振り返った。そして、そんな自身に山崎教諭は目をかけてくれ、叱られたこともあったが、「叱るだけでなく気づかせてくれた。子どもと一緒に泣いてくれた。大きな愛を感じた」と恩師との思い出を語った。小学3年の時、ノジマの前身となる会社(野島電気工業社)を両親が相模原市で起業すると、家業を手伝うのが嫌だったことや両親が不仲になり離婚したことなどを明かした上で、「今になれば良い経験。嫌だと思っていたことほど、今の自分のためになっている」と話した。

大切な「2つ」

 「皆さんに大切にして欲しいことが2つ」。終盤にさしかかると野島社長は語気を強め、「大変とは大きく変わるということ。苦しい時ほど成長のチャンス」「夢を持って。いつまでに何をしたらその夢が叶うのか、それを計画し実行して。夢なき者に成功なし」と述べ、「この2つを忘れずに勉強に遊びに励んでください」と呼びかけた。

 質問の時間では児童からの「経営で一番苦労したのは」「淵野辺小で学んだことで社長として生かされたことは」といった問いに丁寧に答えた。

 学校という場で初めて講演を行ったという野島社長は終了後、「子どもたちに思いが伝わり、ほっとしている」と笑顔を見せた。二宮校長は、「夢を持ち、失敗を恐れず、いろいろなことに挑戦していくというメッセージに、子どもたちは背中を押していただいた」と謝意を示した。