総合学習全国大会 22年ぶり市内で開催 教育変化の契機に

2023/07/06

公開授業でメモを取り、生徒に質問する参加者

 日本生活科・総合的学習教育学会の第32回全国大会神奈川大会が6月17日と18日、相模大野周辺の小中高校などで開催され、全国から教員など約1400人が集った。市内が会場となるのは22年ぶり。主催者は「相模原の総合学習の変化のきっかけになれば」と期待する。

 同大会は「生活科」や「総合的な学習」の授業の研究を深めることが目的。全国の小学校教員らで構成される日本生活科・総合的学習教育学会が主催している。会場となる地域の学校の授業や保育を公開し、教育関係者がさまざまな議論や情報共有を行っている。

1400人参加

 相模原市で同大会が行われるのは2001年以来、22年ぶり2回目。コロナ下で4年ぶりの対面実施となった今年は約1400人が参加した。

 今回、保育や授業を公開したのは、ひよこ第3保育園、RISSHO KID’S きらり相模大野、認定こども園相模女子大学幼稚部、谷口台小学校、大野南中学校、相模女子大学高等部。相模大野周辺に立地することから選ばれた。

 大会実行委員長を務めた淵野辺小学校(中央区)の二宮昭夫校長は「相模原でこうした大会があるからこそ、市内の先生たちにも刺激に。相模原の生活科や総合的な学習が変わるきっかけになれば」と期待を込める。

「探究」テーマ

 「日本食を海外で売り出すためにはどうしたらいいのか」、「出汁の旨みをどう伝える」、「日本とフランスは味覚が似ていると言われているから、親和性があるのでは」――。

 公開授業のひとつ、相模女子大学高等部の「The Road to A1グランプリ〜根拠を持って主張を展開しよう〜」では、自ら設定したテーマに対し、問いや調査方法などをグループで議論した。同授業では社会課題に対し、自分なりの考えを持つ力を育むことを目指している。

 二宮校長は「学習指導要領が改定され『探究』が大事なキーワードに。自ら課題を設定し、情報を収集、整理、分析する力をどのようにして身に着けるのか。今回、参加者とそうしたことを学び合えた」とし、「大人が与える学習から子ども自ら探究する学習への変化が求められている」と話した。

ニュース提供元:株式会社タウンニュース社