タウンニュース社はこのほど、県内33市町村に非正規公務員に関するアンケート調査を実施した。県内市町村の常勤職員は約8万2千人(4月1日現在)、非正規職員(会計年度任用職員)は約3万3千人で、常勤と非正規を合わせた数の28・9%を占めることが分かった。
会計年度任用職員とは、2020年の公務員法改正で導入された非常勤の地方公務員のこと。1回の任期は通常4月から翌年3月までの最長1年とされている。
相模原市は40・7%
自治体別の非正規職員割合は横浜市が13・7%(※学校現場を除く)で最も低く、次いで川崎市が19・1%だった。
一方で50%を超えるのは9自治体あり、逗子市と南足柄市を除く7つが町村(愛川、清川、大磯、中井、大井、松田、開成)の小規模自治体だった。相模原市は40・7%で県下の平均を上回った。
男女比率(集計が無い横浜市を除く)は、常勤職員が男性58・7%、女性41・3%で、非正規職員は女性割合が79・9%に上ることがわかった。
給与(月給)については比較可能な17自治体で、常勤職員(一般職)は平均約30万7千円(手当を含まない)、会計年度任用職員は平均約21万9千円で常勤職員を3割近く下回っている(金額は1月1日現在)。
効果と課題
アンケートでは会計年度任用職員が増加することの「効果」と「課題」についても聞いた。回答は5つの選択肢から複数の回答を可とした(※表参照)。
効果では「雇用の確保」と答えたのが18自治体で最も多く、次いで「特定分野における専門性の維持」が17自治体と多く、人手不足や多様化する職務の中で非正規職員を重要な戦力としてとらえている傾向が分かった。続いて「定員を抑制した機動的行政運営」は9自治体で、「財政負担の軽減」は8自治体、「その他」と答えたのは6自治体だった。
課題では「人材の確保」が21自治体で最も多く、「単年度契約による雇用の不安定さ」が10自治体、「正規職員との待遇格差」は6自治体、「市民サービス低下の可能性」は1自治体だった。「その他」では、短期間雇用による人材育成の難しさや、労務管理の増大、事務の増加・煩雑化などがあった。