着物de文化フォト未来事業 成長の証を写真に 市内2カ所で応援撮影会

2023/09/21

着付けをするボランティアスタッフ(写真は以前の様子)

 経済的理由で七五三や成人式の記念撮影ができない人を対象とした「応援撮影会」が今年は市内2カ所で開催される。主催するのは市民団体の着物de文化フォト未来事業。同団体では「撮りたくても撮れない人に成長の証を残してほしい」と話す。

 撮影会のきっかけは2018年のはれのひ事件。着付け業者が成人式直前に突然営業を停止し、当日を楽しみにしていた新成人が路頭に迷った。中央区で写真スタジオを経営する魔耶さんと、東橋本で着付けサロンを展開する齋藤優見さんが「同業者として自分たちにも支援できる事はないか」と多くの人たちと話をする中、一人親や住民税非課税世帯では、経済的な事情で写真を撮りたくても撮れない家族がいることを知った。事件の救済に著名人や大手企業が乗り出したこともあり、「私たちにできることを」と同年秋の七五三に合わせて「応援撮影会」を企画した。

 七五三や成人式では、着物のレンタルや撮影料などで総額が20〜50万円(成人式)になるとも言われるが、応援撮影会は全て込みで5500円で実施してきた。写真の台紙なども通常使用するものと差をつけないなど、こだわりを見せる。

一緒に喜ぶ時間に

 これまでの5年間(2020年はコロナの影響で中止)で6回の撮影会を実施し、約140人が参加した。昨年からは相模原市の後援を得て緑区役所で開催。同会の齋藤副代表は「撮影会に参加した人からは『お母さんがあんなに喜ぶとは思わなかった』『子どもに成人式のお祝いをしてあげられなかったのでやってあげたかった』などさまざまな声があった。日々に忙殺されて子どもも自分を表現する時間がなく、親も子どもと向き合う余裕がない中で、このような成長を一緒に喜ぶ時間は大切だと感じる」と話す。

未来へつなぐもの

 今年は9月23日(土)午前10時から相模原市緑区合同庁舎4階の集団指導室、10月1日(日)午前10時からユニコムプラザさがみはらの実習室1で開催。対象はひとり親家庭、非課税世帯、児童養護施設の3歳、5歳、7歳、20歳を迎える人とその保護者。年齢が過ぎた人も受け付ける。費用は5500円。齋藤副代表は「写真はその時の思い出をよみがえらせるもので、過去から未来へつながっていくもの。未来の希望にもなるので、ぜひ多くの人に撮影会を知ってほしいし、来ていただければ」と呼び掛ける。

 なお、同会では10月21日(土)までクラウドファンディング(https://camp-fire.jp/projects/view/688791)を実施。協力を呼び掛けている。

 撮影会の申し込み、問い合わせは事務局【メール】kimonofoto.mirai@gmail.com。

ニュース提供元:株式会社タウンニュース社