相模湖地域 「バレエの町」へ始動 野外劇場の建設目指す

2023/10/19

あいさつに立つ小川実行委員長

 バレエを軸に地域のまちづくりを推進する「相模湖芸術・文化のまちづくり実行委員会」(小川喜平実行委員長)は10月11日、相模湖総合事務所でキックオフイベントを開催した。相模湖地域が一丸となって「バレエの町」を目指すと宣言した。

 同会は今年7月に設立。相模湖地域の商工会、観光協会、自治会連合会などの地域団体のほか、バレエ衣装のレンタル業で国内最大手の株式会社アトリエヨシノ、さがみ湖リゾートプレジャーフォレストを運営する相模湖リゾート株式会社、県、市が参加する。相模湖では2007年、09年、16年に湖畔で野外バレエフェスティバルを企画した経緯がある。神奈川県が日本の近代バレエの発祥の地であることを踏まえ、地域の団体らがバレエを中心にしたまちづくりを推進しようと実行委員会が結成され、キックオフイベントにこぎつけた。

 実行委員会では「常設の野外バレエ劇場」の建設を目標に活動する。それを踏まえ活動を3つの期間(定着期・展開期・発展期)に分けて取り組む。まずは、相模湖湖上バレエや相模湖交流センターでのイベントの開催などを通じて地域へバレエの浸透を図る。次に全国に「バレエの町」が認知されることを目指す。その先にはバレリーナやパフォーマーが生まれ育ち地域全体がバレエ劇場を中心に発展することを夢見る。インバウンド集客のための宿泊・民泊施設の誘致、定住・移住促進対策の拡充、新交通手段の誘致、新たなレジャー施設・設備の整備などインフラの構築にも段階的に取り組んでいきたい構えだ。

将来の聖地に

 キックオフイベントには約40人が参加。黒岩祐治県知事、本村賢太郎市長も出席した。相模湖商工会の会長でもある小川実行委員長は「相模湖に常設の野外劇場を作るために取り組みを進めていきたい」とあいさつ。黒岩知事は日本のバレエの発祥の地が鎌倉市だったことに触れ「神奈川県が発祥の地として新たな観光の核づくりを進めていきたい。そのためには地元が一枚岩になって取り組まないといけない。将来のバレエの聖地を目指して今日が歴史的なスタートになる」とエールを送った。さらに、本村市長は「県と市が連携して地域の熱意に応えていきたい。選ばれる、訪れたくなる相模湖にしていきたい。共にがんばりましょう」と話した。

 イベントを終え、アトリエヨシノの吉野勝恵社長は「相模湖をバレエの町にするためにバレエをもっと知り、触れ合う機会を作っていきたい。そして、インフラを含めて町全体がお客さまをきちんと迎え入れることができる芸術文化にふさわしい町にならないといけない。時間のかかることだと思うがバレエの町としてのおもてなしが地域全体でできる状況を作っていきたい。そして、劇場専属のダンサーを育てられる環境を作り、プロダンサーが育ち活躍できる循環ができたら日本のバレエ界の希望にもなる。聖地になるべく力を尽くしたい」と話した。

ニュース提供元:株式会社タウンニュース社