シェアサイクル 1年で需要が倍増 市が中間報告を発表

2023/10/19

市役所に併設されたステーション。天気に恵まれた10月14日午後2時頃、10台分のラックに対して4台の自転車

 ここ1年で市内のシェアサイクルの需要が倍増–。相模原市は10月11日、実証実験の中間結果を発表した。スマートフォンなどがあれば手軽に利用できるとあって全国的にも普及しつつあるシェアサイクル。相模原市内でも本格的な導入となるのか。

最大級企業と協定

 相模原市は昨年6月、国内最大級のシェアサイクルプラットフォーム「HELLO CYCLING」を展開するOpenStreet株式会社と協定を締結し、事業の継続性や事業の効果を検証する実証実験を開始した。市は自転車を置く場所「ステーション」として公有地を無償で提供し、同社が自転車やラックなどを整備して実施している。

 利用料金は30分まで130円で延長は15分ごとに100円とし、12時間までは1800円と設定した。同社が運営するステーションならどこでも乗り捨てができる。

通勤・通学で利用

 今回発表した中間報告によると、ステーションは実証実験を開始した昨年6月の23カ所から今年5月の38カ所(公有地30カ所と民有地8カ所)までに拡充。自転車を置くラックも176台から280台に拡大した。

 1カ月あたりの利用回数は昨年6月の2591回に対して今年5月は5838回と2倍以上の増加。また1カ月あたりの利用者数(実人数)も1205人から2452人に増加した。

採算性に見込み

 市の中間報告の分析によると、駅から公共施設への移動や近隣の大学へ通学するための利用が多いという。利用の多い時間帯は「夕方5時〜7時(14・3%)」「朝7時〜9時(9・3%)」で「深夜0時〜2時(8・8%)」も一定の利用があった。通勤・通学で利用しているケースが多く、終電を逃した人も利用していることが考えられるという。

 同社では「現在までの利用状況から採算性は良好であり、事業化は可能である」と見ているという。

 実証実験は来年5月末まで実施する計画。市路政課の担当者によると、利用状況を踏まえた上で今年度中に本格導入するか意思決定する予定。導入する場合は再度、公募によって事業者を決定するとしている。

ニュース提供元:株式会社タウンニュース社