市戦没者合同慰霊祭 学生が運営に協力 遺族会担い手不足 背景に

2023/10/19

市民会館ホールで行われた慰霊祭

 相模原市戦没者合同慰霊祭が10月7日、市民会館ホールで開かれた。遺族会の参列者は80人ほどで高齢化が進み、年々会員自体も減少しているという。次の世代にどう引き継ぐか模索する中、今回は初めて桜美林大学と相模女子大学の学生計7人がサポート役として式典を進行した。

 同慰霊祭は相模原市と相模原市戦没者遺族会による共催。遺族会の会員80人のほか、地元選出の議員や団体の関係者ら来賓36人が参加した。

 壇上に立った代表者らは、遺族会の会員の減少を背景にどう次世代に引き継ぐか、存続への危機感を滲ませていた。

 あいさつに立った本村賢太郎市長は「今、求められているのは戦争の悲惨さを風化させることなく、平和の尊さとともに次の世代に受け継いでいくこと」と述べた。

 同遺族会の河本文雄会長は「遺族の高齢化が進み、全国と同様に会員の減少と活動の担い手不足の課題に直面している。今回、未来を担う学生と共にできたことは心強い」とあいさつした。

 同遺族会の会員は現在、約900人で、近年は毎年約50人のペースで減少しているという。こうした事態を踏まえて、同遺族会が桜美林大学と相模女子大学に協力を呼びかけたところ、7人の学生が参加した。式典では学生が進行役を務めるなど運営にかかわった。

 桜美林大学4年の野口優穂さんは、平和への誓いとして「世界各地で紛争が続いている。戦争の火種は世界中にまかれている。戦争は本や教科書に載っている歴史上の出来事ではない。私たち学生が一人でできることはたかが知れているかもしれないが、数千人、数万人で大きな波となり、数億人になれば世界に影響を与える力になる。戦争を経験した方の平和に対する切なる思いを次の世代に伝えていきます」などと力強く訴えた。

ニュース提供元:株式会社タウンニュース社