相模原市24年度収支 64億円不足の見通し 扶助費、施設改修費膨らむ

2023/11/10

 相模原市はこのほど、2024年度予算編成方針を公表し、扶助費の増加や公共施設の長寿命化事業費の増加によって約64億円の財源不足が生じる見込みがあることを明らかにした。今後、予算編成が本格化する中、物価高騰への対応やエネルギーの安定供給の確保などの課題もあり、社会情勢の動向を注視する必要があるとしている。

歳入102億円増

 発表によると、24年度の歳入全体は3388億円で、23年度の当初予算額3286億円よりも102億円の増加を見込んでいる。

 24年度の市税は1357億円で23年度当初予算よりも14億円の増加。24年度の個人市民税は633億円で23年度当初予算よりも10億円の増加を見込むものの、24年度の法人市民税は23年度から横ばいで51億円の見込みとしている。

歳出166億円増

 一方、24年度の歳出全体は3452億円として、23年度の当初予算の3286億円よりも166億円の増加を見込んでいる。

 24年度の人件費は797億円で23年度当初予算よりも44億円の増加。24年度の扶助費は23年度当初予算よりも60億円増加の1079億円を見込んでいる。

 また改修・更新の時期を迎える公共施設が多いため、長寿命化事業費の予算は23年度当初予算よりも51億円増加し、24年度は126億円を見込んでいる。

喫緊の課題に計上

 予算編成の視点には「物価上昇を踏まえた上で市民の暮らしの安全・安心の確保に要する経費など喫緊の課題に対応するために必要な経費は確実に計上する」を筆頭に掲げ、相模原市の将来像『潤いと活力に満ち 笑顔と希望があふれるまち さがみはら」の実現に向けた施策の推進を基本としている。

 財源を確保する方策は市税の収納対策を強化するほか、特定財源の確保、市有財産の有効活用に取り組む。国の施策を総ざらいし、既存の市単独事業についても国庫補助金を積極的に活用する方針。また市が保有する公有地で不要となった用地は積極的に処分し、未利用地や長期未着手の事業用地は貸付けなどを行い、歳入確保や維持管理費の削減をめざすとしている。

 現時点で見込まれている財源不足については今後の予算編成作業の中で精査し、収支均衡を図るとしている。

ニュース提供元:株式会社タウンニュース社