相模原市 潜在教員を教壇に セミナーで支援

2024/01/04

 全国的に教員不足が深刻化する中、教員免許はあるものの勤務経験がない潜在的な人材、いわゆる「ペーパーティーチャー」と言われる人たちの存在が注目されている–。こうした人材を教育現場に生かそうと、相模原市教育委員会が主催する「ペーパーティーチャー・プレティーチャーセミナー」が12月16日、市総合学習センターで開かれた=写真。

 ペーパーティーチャーは全国では400万人以上いるといわれる。相模原市では841人の登録があり、実際に常勤代替教諭として282人、非常勤講師として326人が教壇に立っているという。

 この日のセミナーには、これから教員免許を取得する予定の「プレティーチャー」も併せて約30人が参加。パネルディスカッションには、コーディネーター役として市教育センターの鈴木雅哉指導主事、パネリストには新磯小学校の佐々木隆校長、新磯小学校で常勤代替教諭として特別支援学級を担任する荒本ひと美さん、緑が丘中学校で非常勤講師として国語科を担当する大枝美紀さんの3人が登壇した。

 荒本さんは「苦労もあるが、感動の繰り返し。感動できる職場に出会えてよかった。色々な働き方もできるので、皆さんのこれまでの経験が生かせると思う」と教員としてのやりがいを強調。

 大枝さんは「専業主婦を長くしてきたが、やりたいことをやりたいと思い、教育現場に飛び込んだ。皆さんもやりたいという気持ちを大切にしてほしい」と呼びかけた。

 佐々木校長はトラブルへの対応にも話が及び、「保護者にクレーマーはいない。子どもへの心配の仕方が自分とは違うと捉えてほしい。子どものためにトラブルになっていることの本質は何かを考えれば、対立することはない」などと話した。

 そのほか、授業の進め方や成績のつけ方などの説明があった。

 ペーパーティーチャーとして登録しおり、現在は飲食店を経営しているという50代の女性は「実際に教壇に立ったことがないので、授業の進め方にかなり不安があったが、周りの教員の協力があることを聞いて、その不安も解消された」と話した。

ニュース提供元:株式会社タウンニュース社