富士見小6年3組 「さがみはら愛T」製作 地元経営者らが協力

2024/02/29

Tシャツ作りに取り組む6年3組の授業

 富士見小学校6年3組の児童が「さがみはら愛」を込めたTシャツ作りに取り組んだ。3月上旬に完成し、購入予約者の手元に届くという。地元企業の経営者らの協力を得てビジネスの手法を取り入れながら実現に漕ぎつけた。

 同クラスでは総合的な学習の時間を活用してシビックプライド(地域への誇りと愛着)について学習してきた。市民に街頭インタビューをしたところ、相模原に対する愛着が少ないと感じたという。そこで市民にもっと相模原を好きになってもらおうと、昨年12月にオリジナルTシャツ作りの企画が始まった。

 協力に名乗りを上げたのが担任の荒木真人教諭の知人で、市内で飲食業やアパレル業を営む合同会社OTD代表社員の中村和希さん。さらに地域貢献に取り組む株式会社首都圏ハウスメンテナンス(水郷田名)の鈴木隼人社長がスポンサーとなって費用を出資することで実現した。

 児童たちは中村さんの手ほどきを受け、3グループに分かれてTシャツ作りに挑戦。販売部はコストや収益を考慮して価格を設定。製作部はデザインや色などを決め、広報部はチラシを作ったり、YouTube動画をアップしたりと販売促進に取り組んだ。

 完成したTシャツは、市制70周年にちなんだ単語を表記し、アメカジ風に仕上がった。価格は子ども用1000円、大人用2000円として校内を中心に販売したところ、428枚売れた。

 児童たちは「中村さんや鈴木さんと関わって相模原が本当に好きだと考えている大人が多いことが分かってよかった」「頑張った達成感が大きい」「実現できて本当に良かった」と笑顔を見せていた。

 中村さんは「子どもたちに『困っている誰かを助けるために何か考えることが結果的にビジネスである』『ターゲットになり得る人たちの喜ぶ顔を浮かべながら考えることが大切』『そして自分たちも喜べるというWIN―WINがめちゃくちゃ大切』ということを伝えたかった。少しでも考え方の幅が広がってくれたらうれしい」と話した。

 鈴木さんは「この取組に関わって、逆に子どもたちから学んだことも多く、いい経験になった。今後も地域の子どもたちのためになる活動を続けていきたい」と話した。

ニュース提供元:株式会社タウンニュース社