商店街応援 今年も補助金 市 「地域ににぎわいを」

2022/05/26

 相模原市はコロナ禍で落ち込んだ地域の消費の回復を図るため商店街などに対して補助金を交付する。プレミアム商品券やにぎわい創出のイベントにその経費の10/10を補助する。商店街等が盛り上がることでの地域の活性化に期待がかかる。

販促、集客事業 負担なく6月から

 この「がんばる商店街等応援補助金」は昨年度に続く2回目の実施となる。対象は商店会や商店会に準ずる団体など。補助対象となる取り組みはプレミアム商品券や割引クーポン券の発行、スタンプラリーによる割引などの販売促進事業、あるいは夏祭りや賑わいを創出するためのイベントなどの集客事業。いずれも新型コロナ感染症の拡大防止策を講じた上での実施が条件となる。

 補助率は対象経費に対して「10/10」、つまり100%の補助となる。補助金額は各団体の会員数に準じ、上限額は商店会の場合220万円。補助対象期間は6月1日から2023年2月15日まで。

交流醸成にも

 「99%というとても高い回収率。大変好評だったと思います」。JR相模線南橋本駅周辺の「南橋本商栄会」は昨年度、この補助金を利用しプレミアム商品券を発行した。5000円の券でプラス1000円のプレミアムがあるもの。50人ほどの会員がいる同会は飲食店が比較的多く、実施店舗は「売り上げが落ちる閑散期もしっかり集客できた」と振り返る。同会で会計を務める中華料理店「勝来軒」の森山勝徳さんは「売り上げの効果はもちろん、取り組みを通じて会員同士のコミュニケーションも図れて良かった」と成果をあげた。

 星が丘、横山にある「ひばり商栄会」(山田隆会長/会員数13)は昨年度、この補助金で抽選会を開催した。それまで盆踊りを主催するなどし地域を盛り上げてきたがコロナ禍で開催中止が続いており、「にぎやかしになれば」と初めて実施した。500円の買い物ごとに1枚発行される抽選補助券を6枚集めると1回抽選ができるというもの。山田さんは「おかげで単価の高い商品が売れた店舗もあった。盆踊りは今年も開催できないが、このような取り組みで地域に貢献できれば」と話す。

今年は延長、増額で

 この補助金について相模原市は「補助率を10/10で設定しているので、商店会などが自己資金を投入することなく利用できる点が特徴」と説明する。市内に51ある商店会のうち、昨年度は26の会で活用があったそう。昨年度と今年度の変更点としては対象期間の延長、補助金額の上限を増額したことなどがある。市の担当者は「新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、地域に根ざした商店街等の売上や地域の消費が落ち込むなど依然として厳しい状況にある」とし、「本補助金を活用してもらうことで、売上の回復など事業者の経営改善を図るとともに消費を喚起し、地域経済の活性化に寄与することを期待している」と話した。