横山地区 高齢者を「孤立させない」 市内初、郵便局に認知症カフェ

2022/09/15

局内に設置したスペースで開催初日のシュミレーションを行う毛利局長(右)=9月8日、相模原下九沢郵便局

 横山地区の相模原下九沢郵便局に今日9月15日、地域情報提供型の認知症カフェ「ふれあい♡ポスト」が誕生する。局内の一角に雑談スペースが設けられ、認知症予防や詐欺防止の情報提供、コミュニケーションの場などに活用される。郵便局内でこのような取り組みが行われるのは市内でも例がないという。

 横山地区には銀行がなく、地区内にある2つの郵便局がその役割を担っている。相模原下九沢郵便局の毛利友人局長は、任に就いて約10年。その人柄から訪れる高齢者の相談を受けることも多い。内容によっては横山地域包括支援センターの杉田久美子センター長と共有し、その都度解決してきた。高齢者の中には認知症を患う人もおり、詐欺被害も後を絶たない。「どうすれば高齢者を守れるか」が、大きな課題だった。

 毛利局長と杉田センター長はコロナ前から何度も話し合いを重ね、地域で連携して「あそこに行けば相談できる」という場所をつくることを目標に掲げた。先月、郵便局と支援センターに加え、自治会と民生委員、病院、薬局、デイサービスに携わるメンバーで実行委員会を立ち上げ、小さいサロン風の認知症カフェを郵便局内に設置することが決まった。

 同カフェの開催は毎月15日の午前9時から10時30分まで。当面は月1回の実施とし、時間や日数は様子を見ながら検討していく考えだ。日頃は窓口の奥に席を構える毛利局長がカウンターを飛び越え、地域関係者らと相談を受ける。毛利局長は「誰でも気軽に寄ってもらえる場所になれば。散歩がてらに立ち寄ってほしい」と呼び掛け、「高齢者を孤立させない地域にしたい」と意気込む。

 また、相模原下九沢郵便局の状況を見ながら追って実施予定の、相模原横山郵便局の中嶋芳恵局長は「近隣には高齢者の方も多い。詐欺防止や地域の方との交流の場になれば」と語った。