おはなしクレヨン 2度目の文科大臣表彰に  読み聞かせ活動が評価

2023/05/25

千木良小で読み聞かせをする「おはなしクレヨン」のメンバー

 相模湖地区を中心に活動する読み聞かせのボランティア団体「おはなしクレヨン」(根仁美代表)が令和5年度子供の読書活動優秀実践団体に対する文部科学大臣表彰をこのほど受賞した。根代表は「好きでやっている活動でこのような賞をいただけてうれしく思う」と話した。

 おはなしクレヨンは1994年4月に設立。当初は石老山登山口近くにあった文庫で、子どもたちに読み聞かせをしたのが始まり。その後、内郷小、桂北小、千木良小のほか、保育所、高齢者施設、障害者施設、公民館まつりなどで読み聞かせを行ってきた。現在は12人で活動。読み聞かせに使う絵本、大型絵本、紙芝居などは社会福祉協議会の助成金で購入しており、約1000冊以上を保有する。2003年には同省の子どもの読書活動優秀実践団体として表彰されている。

2度目の受賞

 今回の表彰は、子どもが積極的に読書活動を行う意欲を高める活動において特色ある優れた実践を行なっている団体などが選ばれる。受賞に根代表は「最初に受賞を聞いた時は、2回目だし『良いのかな』という気持ちがあったが、選ばれるのはとてもありがたいし、うれしい」と話す。5月12日には、相模原市役所で渡邉志寿代教育長らに受賞を報告。渡邉教育長は「地域の皆さんが読み聞かせの活動に支えられて、豊かに健やかに成長できていると思う」と、これまでの読み聞かせ活動に敬意を表した。

「選ぶのが大変」

 長年、活動を続ける会員だが、本番の前は「毎回どの本にするのか選ぶのが大変。大袈裟に言えば夜も眠れないほど」と口を揃える。聞く人の年齢、季節、タイムリー性などで本を選ぶが、「読み聞かせが終わるまでは考えるし、毎回緊張する」と根代表。「読む人で選ぶ本も変わるし、同じ本でも聞く人の反応が違う。反応がないと『大丈夫かな』と心配になることもある。でも、楽しいから続けていられる。子どもたちが学校の外で声をかけてくれるのが嬉しかったりもする」と笑顔で話す。

 5月17日には、千木良小で読み聞かせを行った。当日は根代表、渡辺良恵さん、加藤通代さん、藤田尚美さん、榎本幸子さんが2つに分かれ、高学年、低学年に絵本などを読んだ。児童は「感情を込めて読んでくれたのですごく楽しかった」「その場に風景が浮かぶようだった」といった感想を述べた。

 今年は設立から30年目になる同団体。コロナが落ち着いた現状を踏まえ、根代表は「いろいろな場所で中止のまま止まってしまっている読み聞かせが再開できるようになればいい」としつつ、「今まであまりやってこなかった、おはなし会などのイベントなども企画できれば」と意欲を燃やす。

ニュース提供元:株式会社タウンニュース社