時代が変わっても、変えない柱。
つるし雛でお馴染み、淵野辺の「つるや呉服店」を紹介します。洋服が当たり前となり、和装は催事といった珍しい機会に着飾るものとなりました。そんな時代ながらも100年以上続いている「つるや呉服店」の人気に迫ります。
「定期的に問屋さんが来なくなって2年が経ちましたよ」と話すのは、つるや呉服店の代表・萩生田康治さん。これまでは、近隣にある他の呉服店も周りながら月1回のペースで問屋が訪れ情報交換をする、これが長きにわたり続いてきた呉服業界の商いでした。しかしながら、近年では老舗店をはじめとした店舗や産地の減少など、和の文化が失われつつあるのが現状です。
こうした一方で、和文化の存続に力を注ぐ「つるや呉服店」は、インターネットやAIなどが販売人として活躍している現代で、昔ながらの〝人対人〟に重きを置いて商いを続けています。豊富な品揃えがあるのも人気の理由で、王道の呉服はもちろん、JAXAや人気アニメといった流行品や「どこへ行っても無かったのに、ここにあった!」というニッチな商品まで、店内に並んでいます。また、近隣の大学に協力し日本文化専攻の留学生向け授業を行うなど、和服の国際化にも取り組んでいます。帰国後家族や友人と再訪してくれる留学生も多く、手ごたえを感じているそうです。
100年以上続く理由について萩生田さんは「柱を変えないこと」と言います。つるや呉服店では、朝に来店して、ランチを一緒に食べて、夕方まで滞在するお客様がちらほらいます。兎にも角にも会話することが、昔から続けているこだわりの接客だそう。こうしたことから家族ぐるみのお客様も多く、ときには認知症の早期発見につながる時もあるほど。ほかにも、あえて変えていないのは、お店のレイアウト。大規模なリフォームをした際にも、レイアウトは変えず、入口に扉を設けないでお客様が入りやすい空間作りを大切にしています。
「和の文化」を味わえる同店に、この機会に行ってみてはいかがでしょう。
情報
店名 | つるや呉服店 |
住所 | 相模原市中央区淵野辺3-19-13 |
電話番号 | 042-752-2011 |
営業時間 | 9:00~18:00 |
定休日 | 水曜日 |