受け継ぐ職人魂
「神奈川の名工」と呼ばれる卓越技能者として、2021年に選出された矢部の老舗「砂川畳店」。畳の製作技術などを競う技能フェスティバルやグランプリ等で数々の実績を誇る同社3代目の砂川貴幸さんに話を聞きました。
祖父から始まり、現在も親戚の多くが「畳業」を営む砂川さん。幼少時代から自宅横の作業場では祖父と父が働く背中を見てきました。一度は外の世界を学ぼうと一般企業に就職し、25歳のときに家業へ。同年代と比べ、技術者になるのは遅かったものの、「周りに負けたくない。追い越していきたい」と先代から受け継ぐ職人気質の性格で、技術向上を怠ることなく今も学びを続けています。
そんな先代から受け継ぐモットーが2つあります。
一つ目が「誠実にお客様と向き合い、一生懸命やること」。現在、砂川畳店の職人は砂川さんのみ。手広い展開ではなく、目の前のお客様一人一人を大切に、顔の見える関係に重きを置いて、さまざまな要望に応えられるよう日々取り組んでいます。お客様から見える部分はもちろん、見えない部分でも一切の妥協を許さない姿勢で対応するのがこだわりです。
二つ目は「道具に仕事をしてもらうこと」。職人気質の性格とともに体に染みつき、受け継がれているのが道具を大切にすることです。使い慣れている道具たちは職人の身体の一部。相棒となる道具は選び抜かれたものであり、手入れを怠ることなく、ともに仕事をしています。
砂川さんは「『習うより慣れよ』で積み上げてきたものが私の技術であり、多くのご要望に応えられるというオリジナリティです。これからも地域の皆様のお困り事を解決できるよう、学びを怠ることなく技術を磨いていきます」と話します。
情報
店名 | 砂川畳店 |
住所 | 相模原市中央区矢部1-18-17 |
電話番号 | 042-752-2280 |
営業時間 | 8:00~18:00 |
定休日 | 日曜、祝祭日、夏季冬季休暇あり(状況により応相談) |