「隠し味は“愛情”」手塩にかけた本物の豆腐
矢部駅からほどなくの場所にある越後屋豆腐店は、昔ながらの手作りが自慢のお店です。
店主の西條政夫さんは父から受け継いだこのお店で毎朝仕込みに精を出します。
午前2時頃から始まる仕込みは、大豆に触れ、対話することから始まります。
その日の気温や湿度によって配合を変えるほどのこだわりで、毎日が学びの連続なのだとか。「よくできた日は最高に気分がいいよ。反面、納得いかない日ももちろんある。でも全部受け入れて、学んで学んで。この店にたってからは、その連続なんだ」。毎日の地道な積み重ねが最も重要だといいます。
同店の”とっておき”は近隣住民からも大人気だという「土佐揚げ」。コショウが絶妙に効いていて、そのまま食べても、アレンジしても絶品。「これで一杯やるのが至極」というファンから多くの支持を得ています。もちろん、シンプルな木綿・絹もおすすめ。豆の味をいかした昔ながらの製法と、昔ながらの価格をできるだけ維持したいと、良心価格にて販売しています。生のおからや、しぼりたて豆乳も知る人ぞ知るおすすめ。手作り店でしか入手できないと、わざわざ遠方からも客が訪れます。
「隠し味は”愛情”」と言い切る西條さん。幼いころ、母に「どうしてお母さんの料理は毎日食べても飽きないの?」とたずねると、「それはね、お前たちが元気に育つように愛情をたっぷり込めているからだよ」と返ってきた言葉を今でも思い出しては大切にしていると言います。「私が目指すのは、母親が子どもを思って作るご飯のように、優しくて温かくて、毎日食べても飽きない味。あの時の母の言葉は、私のルーツになっているんだ」。
どんなに時代が移り変わっても、その思いだけは大切にしていきたいと言います。「豆腐も豆腐屋も大好き。毎日豆腐のことを考えて、できる限りの愛情を注いでいきたいね。そうすれば必ず良いと言ってくれるお客さんはいると思うから」。
気取らず、おごらず、毎日を丁寧に―。古き良き時代の面影を残す店先のショーケースには、そんな店主の生きざまをそっとうつした”こだわり”の豆腐が並びます。
情報
店名 | 越後屋豆腐店 |
住所 | 相模原市中央区矢部1-18-16 |
電話番号 | 042-752-1820 |
営業時間 | 5:00~19:00 |
定休日 | 日曜 |