どこか懐かしい 80年以上愛され続ける ごはん屋さん
「いらしゃいませ!」。今日も元気な声と笑顔で出迎えてくれたのは、和食を中心にさまざまな料理やお酒が気軽に楽しめる、JR相模湖駅前『かどや食堂』の店主・小池まきえさん。創業80余年、母から兄、妹(まきえさん)へと受け継がれた伝統の味を求め、地元の人や登山客でいつも賑わうお店です。
『かどや食堂』は1936(昭和11)年、相模湖が誕生する約10年前に、「角屋旅館」として創業。当時から、旅人たちを癒してくれる安らぎのスポットでした。現店主・まきえさんは子どもの頃から料理好き。調理場で働く母や兄の周りを「気になってチョロチョロしてましたね」と当時を振り返ります。1946(昭和21)年に発生した相模湖の大火で建物が消失すると、建物の改装と当時に食堂へと生まれ変わりました。『かどや食堂』の誕生です。大火の際、宿泊していた大学生たちが必死で守り抜いたという「ぬか床」は今も健在。ごはんのおともやお酒のつまみに好評です。「肉豆腐」や「塩やきそば」、「焼肉定食」は、創業当初からの人気メニュー。2007(平成19)年、今の建物へと改築する際には、古い建物に馴染みのある常連客らが「お別れ会」を開いたほど、地元の人や旅人に愛されている『かどや食堂』。建物は新しくなっても、飾らないおもてなしの心や手作りへのこだわりは今も変わりません。
まきえさんは平成から令和へと時代が変わるころ、「地元の食材を使った、ここでしか食べられない料理を提供したい」と、新しいメニューの考案に着手。身近に「幻の大豆」とも呼ばれる津久井在来大豆を生産する知人がいたことから、大豆をふんだんに使った「おまめちゃん定食」を考案しました。津久井在来大豆のつくね焼きと手羽先のさっぱり煮を大皿に盛り合わせ、わかさぎのフライと温泉玉子、ご飯・味噌汁・漬物が付いたボリューム満点の特製メニュー。「美味しいごはんだけじゃなく、面白いお店にしたくて。かどやがあるから、相模湖へ行こう!って、思ってもらえるよう、日々勉強です」と、まきえさん。
ほっこり心が温まる昔懐かしい味、今だから食せる斬新な味、どちらも美味しくいただける『かどや食堂』。ボリューム満点の料理と、まきえさんの人柄に惹かれて、今日もたくさんの人が訪れます。
情報
店名 | かどや食堂 |
住所 | 緑区与瀬本町12 |
電話番号 | 042-684-2002 |
営業時間 | 11:30~19:00(オーダーストップ18:40) |
定休日 | 火曜日・最終月曜日 |
HP | https://www.sagamiko-kadoya.jp/ |