自慢の餡を多彩な和菓子で味わえる
「やめられないのよ、楽しいから」とはにかんだ笑顔を見せるのは清水則子さん。昭和29年10月から続く和菓子店の2代目として、今日も饅頭を丸めています。親が始めた家業を幼いころから手伝っていた清水さんは、「お饅頭の種の蝕感が好きなのね、モチモチっというか、モチっというか」と言い、種を丸めるのが好きで無我夢中になっちゃうと照れくさそうに続けます。
そんな清水さんを隣で見ていた夫の富弘さんが、「もう何時間だって延々と続けられるんだよ。ウチじゃ”人間包餡機”なんて呼んでるんだ」と笑います。繁忙期には長時間餡を包み続けることもあるそうですが、「絶対音を上げない。疲れない。だから人間包餡機」と富弘さん。
そんな風に清水さんが日々包んでいる餡。実は秘密があります。それは小豆の皮を丁寧に省いていること。「自家取り」と清水さんが言うこの作業をすることで、皮のもつ苦みやえぐみがなくなり、まろやかな餡に仕上がるそう。実際に仕上がった羊羹を食べてみると、小豆の風味の豊かさが控えめの甘みの中に広がり、見た目も薄紫色で上品な印象です。
「餡ごとに砂糖も変えているの」と清水さんが言うのでよくよく聞くと、こし餡にはまろやかでトゲがない白双糖を、つぶし餡には上白糖を使っているとのこと。
そんなこだわりぬいて作る自家製餡を使用した酒まんじゅうは、この店の看板商品。ですが4~9月の季節限定品、一枚流し水羊羹や水羊羹、国産栗を使用した10~3月の限定品、栗むし羊羹、そして11~4月限定のいちご大福など、その時期にしか味わえない和菓子も多く、訪れるたびに季節を感じられそうです。
情報
店名 | 志美津屋製菓 |
住所 | 緑区橋本6-39-8 |
電話番号 | 042-773-3606 |
営業時間 | 9:00~19:00 |
定休日 | 水曜、日曜(月1回不定期) |
HP | http://www2.tba.t-com.ne.jp/shimizu-ya/ |