中央区並木でテイクアウト専門店「’Loom」を展開する株式会社セラム・グループ。同店では、地産地消のお弁当、お惣菜を取り扱い、テイクアウトやデリバリー、店内飲食にも対応しています。代表を務める山口陽一さんが掲げるのは「多品種少量生産のセントラルキッチン」。「食を通して地域を元気にしたい」という思いから、市内の生産者と飲食店をつなげ、オリジナルメニューを開発したり、そこで生まれたお弁当を自身の店舗で販売したり、消費者である顧客に、もっと「食」を楽しんでもらおうとワインセミナーなどのイベントを企画したり、アグレッシブに活動しています。

　事業内容は仕込み代行、フードデリバリー、弁当販売、オンラインショップ、多店舗販売支援コンサルなど多岐にわたります。市のイベントで地元食材を活用したSDGｓ弁当をプロデュースしたこともありました。

　「相模原を食で盛り上げたい」。そんな山口さんの活動に心を動かされた一人が、「相模原大ちゃんの野菜」の代表である和泉大樹さんです。きっかけは山口さんから「野菜を使わせて欲しい」という猛アプローチでした。和泉さん自身「ものづくりがしたい」という思いから、住宅設備機器の代表を辞め、テレビで見てビビッときた滋賀県の農家に単身で乗り込み、初めは怪しまれながらも熱意が伝わり、農業のイロハを学んだ過去があります。地元相模原に戻ったのちも、新規就農組でありながら、緑区大島で大きな野菜農家を営むほどに成長しました。和泉さんは「熱いものを持っていたので、協力してあげたいという気持ちになった」と振り返ります。

　コロナ禍の今、セラム・グループに限らず、飲食業は苦境の真っただ中にあります。しかし、そんな中でも山口さんのチャレンジする姿勢は変わりません。昨年も相模原の美味しい野菜や特産品を「ごちそうセット」にして届ける企画を考案し、クラウドファンディングで協力者を募り、目標を超える資金を集めることに成功しました。

「相模原の魅力を『食』を通して伝えたい――」というセラム・グループの挑戦はまだまだ始まったばかりです。

情報

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